尾道・瀬戸内の美味しいものや楽しい事をお届けするお取り寄せサイト、尾道スーベニアです。今回は、約2年前に一度訪れた尾道市浦崎町にある〖尾道ロバ牧場〗へ再び行ってきました。
観光地として知られる尾道の市街地とは車で30分以上離れた、尾道の飛び地であるここ浦崎町。
この地でロバ達と暮らしを共にする田頭夫妻とロバ牧場について、初めて取材に訪れたのは2021年夏の事でした。そこから約2年の歳月が過ぎ、尾道ロバ牧場に新たな風が吹いているという話を聞きつけ早速お邪魔してきました。尾道ロバ牧場は小高い丘の上にある小さな牧場で、現在は7頭のロバと4頭のヤギがのんびりと暮らしています。
私たちが牧場に到着すると早速笑顔で出迎えてくれたのは、半年前からここで働いているというルクセンブルク人のフランソワさん。フランソワさんはベルギーで生まれ育ったルクセンブルク国籍の、なんとも朗らかな雰囲気漂う青年で、2019年に留学で訪れた日本に魅力を感じ、さまざまな道を経て現在ここ尾道にあるロバ牧場で働いているのだと教えてくれました。
ベルギーから日本へ―。踏み出した一歩
時を遡る事約5年前、ベルギーで暮らしていたフランソワさんは、とある日本留学のパンフレットを見つけ、ずっと興味があった日本へ行ってみたいという気持ちをカタチにするべく大きな一歩を踏み出し日本への留学を決めました。
-Q.フランソワさんにとっての日本の魅力や留学のきっかけは何だったのですか?-
A.ベルギーでは学生時代に空手を習っていたり、日本文化にはずっと興味を持っていました。
取り分け日本の漫画はとても面白く、日本を象徴するカルチャー的要素が強かったですね。ドラゴンボールや幽遊白書やなど、ベルギーでも放映されてたんですよ。とても夢中になりました。
漫画や空手など、日本を身近に感じられる環境が傍にあった事で、より一層日本への興味や憧れが強かったんだと思います。
-実際に留学し、日本で暮らしてみてどんな感想をもちましたか?-
初めての留学は1カ月間、東京で日本文化や語学を学びました。
日本で過ごす時間は新鮮で、とても楽しかった。留学を終え一度はベルギーに戻りましたが、やはりもう一度日本に行きたい!という熱い想いは日々持ち続けていましたね。
もう一度日本へ!瀬戸内のまちとの出会い
日本へまた行きたい、という思いを持ち続けていたフランソワさんは、その後2度目の留学を決めました。
2度目の留学は日本の哲学的なものを学べる場を選び大阪へ。
-二度目の留学生活、大阪での暮らしはどうでしたか?-
やはりとても楽しかった。それに大阪はやっぱりたこ焼きが美味しかったですね。
ただなんといっても一番の思い出は瀬戸内での出会いです。
留学1年目の春休みに瀬戸内の地を訪れたんです。自然豊かな瀬戸内海の景色に興味がありました。
-瀬戸内のどの辺りを訪れたのですか?-
尾道の隣町、三原を訪れました。
その時出会った醸造所での縁をきっかけに留学期間を終えたのち三原で働くこととなりました。三原のゆったりとした気候と醸造所での思い出はとても心地よかったですね。
尾道ロバ牧場との出会い
瀬戸内の地で働く事となったフランソワさん。そんな瀬戸内・三原での生活のなかでロバ牧場との出会いがあったのだとか。
-大阪から三原へ。段々とロバ牧場のある尾道に近づいてきましたね!尾道ロバ牧場との出会いについて教えてください。-
僕は動物や自然溢れる場所が昔から大好きでした。子供の頃は獣医になりたいという夢もありましたね。
そう、三原で働いていた当時〖隣町の尾道にロバの牧場がある〗という事を知り、2022年5月に友人と初めてこのロバ牧場を訪ねました。ロバたちはとても穏やかで人懐こく、えさやりやロバ達との触れ合いを体験しました。
自然豊かな風景、そしてかわいいロバ達と過ごした時間。たったの1日だったけどそれがとても濃密な時間でした。忘れられない思い出となりましたね。
-なるほど、とても印象に残る幸せな時間だったのでしょうね。-
その後、牧場でロバの赤ちゃんが産まれたという情報をみて、もう一度牧場へ足を運んだんです。
2度目に訪れた時〖やはり自分はこの場所が大好きだ〗と再認識しました。
なのでその後新しい地で働く時期を迎えたことを機に、この牧場で働きたい、という思いを田頭さん夫妻へ伝えたんです。
動物との暮らしの中で見つけた、これからの暮らし
現在ロバ牧場で働き始めてちょうど半年を迎えたというフランソワさん。
念願のロバや動物達との生活や日々の仕事についても伺ってみました。
-大好きなロバや動物達との時間、牧場で実際に働いてみての感想を教えてください。-
ロバ牧場にきてちょうど半年経ちました。現在はマーケティングやコミュニケーション・SNS発信の分野からロバ牧場に携わっています。空いている時間にはロバ達のお世話や牧場清掃のお手伝いもしています。大好きな動物たちのそばで、楽しみながら日々充実した1日を過ごしていますよ。
ジュンコさん(田頭さん)の作る日本の料理もとても美味しく、それもここで過ごす楽しみの一つですね。
温暖な気候とのんびりとした時間が流れる、尾道にしかない空気感を感じるこの牧場が僕は大好きで、動物とこの町で過ごす時間が自分にとっての一番の幸せであり、日常です。
遠いベルギーの地で生まれ育ち日本へ渡り、日本の様々な地で過ごしてきたフランソワさんが〖ここで暮らしたい〗と思った尾道。
いろんな偶然が重なり尾道という場所に出会い、そして今この地でやりたい事を見つけたフランソワさんの尾道での暮らしは始まったばかり、今後も尾道の魅力を沢山の方に伝えていってもらえることを期待しています!
ブロム・ペータス フランソワ
・出身国 ルクセンブルク
・好きな母国料理 フレンチフライ
・好きな日本食 マグロ漬け丼
・趣味 庭の手入れ・ハイキング・漫画を読む
・いつか行ってみたい場所 阿蘇山
・子供の頃の夢 獣医
・最近の悩み 野菜が上手く育つか
※現在はロバ牧場を退職されています
尾道ロバ牧場
広島県尾道市浦崎町899-3
090-9732-1991
OPEN 11:00-15:00
不定休
駐車場 有
このブログを書いた人
カナ
尾道生まれ・ほぼ尾道育ち。
尾道・千光寺山のロープウェイガールやツアー関係の仕事に就きながら20代を過ごす。その後2人の女の子を育てながら人と関わる仕事に就き、現在は〖尾道スーベニア〗の運営に携わる。
尾道で働く人々にフォーカスした取材ブログ〖私が尾道で働く理由〗担当。
空想の世界が大好きで頭の中で色んなことを考えるのが日課。食べることと、小説を読むこと、人間観察も大好き。